パフォーマンスエンジニアリング

パフォーマンスエンジニアリングとは何か?

パフォーマンスエンジニアリングとは、システム性能をビジネス上の目的と結びつけて継続的に改善・保証するための技術です。最適化の対象となる要件はシステムによって異なり、例えば次のようなものがあります。

  • 処理性能:データ処理帯域を高め、スループットを向上させる
  • 応答性能:ユーザーへの応答時間を短縮し、レイテンシを削減する
  • 効率性:電力効率を改善し、ワットあたりの性能を向上させる
  • 経済性:費用対効果を改善し、TCOを削減する

組み込み機器からスーパーコンピューターに至るまで、あらゆる規模のシステムにおいて、パフォーマンスエンジニアリングは製品やサービスの競争力を大きく左右する中核的な技術となります。

組み込み機器
  • バッテリー寿命の延長
  • 省メモリ・省電力動作
PC
  • 快適な操作性の実現
  • 待ち時間の削減
クラウド
  • 利用料金の削減
  • リソース使用の最適化
スパコン
  • 最高性能の実現
  • 電力効率の最大化

なぜ今パフォーマンスエンジニアリングか?

性能改善の取り組みは新しいものではありません。しかし生成AIの登場により、それを「パフォーマンスエンジニアリング」として戦略的に実践することが、かつてないほど重要になっています。

以下の4つの要因により、「より高速に、より低コストで、より効率的に」という要求がこれまでにない水準に達しています。

生成AIにおけるパフォーマンスエンジニアリング

生成AIでは「規模 × 用途」で見ると4つの典型パターンがあり、それぞれで「省メモリ」、「高スループット」、「低レイテンシ」など、パフォーマンスエンジニアリングにおいてターゲットとすべき指標が異なります。

生成AIにおける4つの指標
  • 小規模 × 推論
    スマートフォンのAIアシスタント、IoTデバイスのセンサー処理、自動運転システム
  • 小規模 × 学習
    オンデバイスファインチューニング、フェデレーテッドラーニング
  • 大規模 × 推論
    生成AIサービス、推論APIサービス、エージェントAIサービス
  • 大規模 × 学習
    基盤モデルの事前学習、継続事前学習

成功の原則:「観測」と「改善」のサイクル

パフォーマンスエンジニアリングは、「観測」と「改善」を繰り返すサイクルです。まず正しく測り、次に効率よく直す。
この繰り返しが性能を押し上げます。

「観測」と「改善」のサイクル
「正しく観測する」ためのポイント
  • 適切な環境を選択する
    計測環境は本番環境と同等か限りなく近いものを選びます。
  • 計測による副作用を制御する
    計測手法や計測コード自体のオーバーヘッドを最小化するか、オーバーヘッドがある前提で計測結果を取り扱います。
  • 実行時間のブレを正しく扱う
    計測ノイズらしきものが観測された際に因果関係を正しく把握し、計測誤差として無視できる場合は適切な統計値(中間値や平均値)を取ります。
「効率良く改善する」ためのポイント
  • 目標値を決める
    理論性能は超えられず、近づくほど膨大な努力が必要になります。
  • 真のボトルネックを狙う
    支配的ではない処理の改善に取り組んでも効果が薄いため、ボトルネックを特定し、そこに最適化リソースを集中させます。
  • 処理自体の必要性を再検討する
    処理自体の必要性を再検討すること。場合によっては、処理を速くするよりも、そもそも処理をなくす方が大きな改善につながります。

フィックスターズの
パフォーマンスエンジニアリング・オファリング

パフォーマンスエンジニアリングの実践には、専門知識・ツール・人材が必要です。
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