ビッグデータの処理で重要となるグラフ解析で最高レベルの評価
このランキングは、現在米国ミズーリ州セントルイスのアメリカズ・センター及びオンラインで開催中のHPC(ハイパフォーマンス・コンピューティング:高性能計算技術)に関する国際会議「SC21」に合わせて、Graph500 Committeeから11月15日(日本時間 11月16日)に発表されます。
大規模グラフ解析の性能は、大規模かつ複雑なデータ処理が求められるビッグデータの解析における重要な指標です。

1.「富岳」測定結果
なお、2021年11月時点の「Graph500」のランキング第2位は、中国の「Sunway TaihuLight」で、測定結果は23,756GTEPSです。すなわち、今回「富岳」は第2位と約4倍以上の性能差をつけたことになります。
Graph500ランキング
https://graph500.org
2.Graph500について
- 複数のノード間におけるグラフデータの効率的な分割方法
- 冗長なグラフ探索を削減するアルゴリズム
- スーパーコンピュータの大規模ネットワークにおける通信性能の最適化
理研 計算科学研究センター
https://www.r-ccs.riken.jp/jp/
本研究では以下の成果(アルゴリズムやプログラム)を活用しています。
1:科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業CREST「ポストペタスケール高性能計算に資するシステムソフトウェア技術の創出(研究総括:佐藤三久)」における研究課題「ポストペタスケールシステムにおける超大規模グラフ最適化基盤(研究代表者:藤澤克樹、拠点代表者:鈴村豊太郎)」
2:科学技術振興機構(JST)戦略的創造研究推進事業 CREST「ビッグデータ統合利活用のための次世代基盤技術の創出・体系化(研究総括:喜連川優)」における研究課題「EBD:次世代の年ヨッタバイト処理に向けたエクストリームビッグデータの基盤技術(研究代表者:松岡聡)」
3:大規模グラフ解析プログラムのGitHub レポジトリ
https://github.com/suzumura/graph500/
<参考文献>
1. Koji Ueno, Toyotaro Suzumura, Naoya Maruyama, Katsuki Fujisawa, Satoshi Matsuoka, “Efficient Breadth-First Search on Massively Parallel and Distributed Memory Machines”, Data Science and Engineering, Springer, March 2017, Volume 2, Issue 1, pp 22-35, 2017.
3.補足説明
スーパーコンピュータ「京」の後継機。2020年代に、社会的・科学的課題の解決で日本の成長に貢献し、世界をリードする成果を生み出すことを目的とし、電力性能、計算性能、ユーザーの利便性・使い勝手の良さ、画期的な成果創出、ビッグデータやAIの加速機能の総合力において世界最高レベルのスーパーコンピュータとして2021年3月に共用を開始した。
「富岳」は富士山の異名で、山の高さがスーパーコンピュータ「富岳」の性能の高さを表し、山の裾野の広さがスーパーコンピュータ「富岳」のユーザーの拡がりを意味する。また、富士山は海外での知名度も高く、名称として相応しいこと、さらにはスーパーコンピュータの名称は山にちなんだ名称の潮流があることなどから理研が選考した。
スーパーコンピュータにおけるオペレーティングシステムが動作できる最小の計算資源の単位。「富岳」の場合は、一つのCPU(中央演算装置)と32GiB(ギビバイト)のメモリから構成される。
TEPSはTraversed Edges Per Secondの略であり、「Graph500」ベンチマークの実行速度を表すスコア。「Graph500」ベンチマークでは与えられたグラフの頂点とそれをつなぐ枝を処理する。「Graph500」におけるコンピュータの速度は1秒間あたりに処理した枝の数として定義されている。GTEPSのGは10の9乗を表し、GTEPSは1秒あたりに処理した枝の数を10の9乗で割った値である。GTEPS値の計算には、64試行における調和平均が使用されている。
狩猟社会(Society 1.0)、農耕社会(Society 2.0)、工業社会(Society 3.0)、情報社会(Society 4.0)に続く、新たな社会を指すもので、第5期科学技術基本計画において我が国が目指すべき未来社会の姿として初めて提唱された。IoT、ロボット、AI、ビッグデータといった社会の在り方に影響を及ぼす新たな技術をあらゆる産業や社会生活に取り入れ、経済発展と社会的課題の解決を両立していく新たな社会の実現を目指すこととしている。
2015年9月の国連サミットで採択された「持続可能な開発のための2030アジェンダ」にて記載された2016年から2030年までの国際目標。持続可能な世界を実現するための17のゴールと169のターゲットで構成され、発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)なものであり、日本も積極的に取り組んでいる。(外務省ホームページから一部改変して転載)