個人投資家の皆様へ

当社グループでは、平成16年からPlayStation®3のメインプロセッサ(注1)にも用いられているマルチコア(注2)「Cell(注3)」を使ったソフトウェアの開発に取り組み、マルチコア向けのソフトウェア開発分野における先駆けとして、必要な技術及び開発実績を蓄積しております。
平成16年当時は「ムーアの法則(注4)」に基づき、半導体業界及びコンピュータ産業ではクロック数の向上等、シングルコアの半導体そのものの性能向上に注力する時代でした。しかしながら、情報化が進む現代社会においては、取り扱うデータ量の増加や処理スピードへの高速化のニーズは留まるところが無く、ムーアの法則の限界を超えた、ポスト・ムーア(注5)の技術が求められております。そういった時代の流れの中で、半導体業界及びコンピュータ産業においては、従来のシングルコアによる技術革新からパラダイムシフトをし、マルチコアによる技術革新が進められる様になりました。
Cellはそうしたマルチコア時代の先駆けとなった、従来の概念を覆す商品であり、Cellの発売以降、続々とマルチコアを搭載する革新的なハードウェア(注6)が開発、販売されております。
また、当社グループは、平成25年3月からは、ストレージの高速処理に着目し、従来から取り組んでいるマルチコアに加え、ビッグデータ時代を見据えた新たな基盤技術の開発に取り組んでおります。今後は、マルチコアとストレージを両輪として、最先端のソフトウェア技術でお客様の製品やビジネスを高速化する取組みを推進して参ります。なお、当社グループが行うソフトウェア開発に派生して生じるOSやミドルウェア及び基盤となるハードウェアの開発、提供も行っております。

 

事業系統図

事業系統図

 

(注) 1.  コンピュータなどの中で、ソフトウェアプログラムに記述されたデータの転送、計算、加工、制御、管理などの命令セットを実行するためのハードウェアであり、演算装置、命令や情報を格納するレジスタ、周辺回路などから構成されます。
  2.  1つのプロセッサ・パッケージ内に複数のプロセッサ・コアを封入したもの。外見的には1つのプロセッサでありながら内部的には複数のプロセッサで構成されるため、主に並列処理を行わせる環境下においては、プロセッサ・チップ全体での処理能力を上げ、性能を向上することができます。
  3.  異なる種類のプロセッサ・コアを1つのプロセッサに集積した「ヘテロジニアスマルチコア」と呼ばれるマルチコアプロセッサ。ソニー・東芝・IBMの3社によって共同開発されました。
  4.  世界最大の半導体メーカー・インテル社の創設者の一人であるゴードン・ムーア博士が1965年に経験則として提唱した、「半導体の集積密度は18~24ヶ月で倍増する」という法則。
  5.  ムーアの法則は半導体の微細加工技術の発展を根拠としていましたが、2010年代には微細化が原子レベルにまで到達してしまい、ムーアの法則は通用しなくなると予想されました。ムーアの法則どおりの性能向上が期待できなくなったため、それに代わる現実的かつ有力な解決策としてマルチコア化が登場、急速に普及しました。
  6.  1990年代のプロセッサは、インテルのシングルコアプロセッサが主流でしたが、2000年代に入りマルチコアが登場し、かつ用途が多様化したこともあり従来にないアーキテクチャのプロセッサが登場しました。その代表がモバイル機器に使われるARMアーキテクチャの製品や、多数のコアを搭載したGPUや、プログラミング可能なFPGAなどです。

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M³(エム・キューブ)

当社グループは、当社独自の高速化技術である、M³(エム・キューブ)を軸に、技術開発を行っております。  M1:マルチコア向けソフトウェア高速化技術と、M2:ストレージ向け入出力高速化技術を、M3:最新のマルチコア製品へ適用しサポートをするM³(エム・キューブ)により、お客様の製品やシステム性能の向上を実現しております。

M³(エム・キューブ)

 

更に、これまでのマルチコア向けのソフトウェア開発で培った技術及び知見を結集し、マルチコアをより利用しやすくするためのツールとして「M³(エム・キューブ)・ソリューション」を開発し、ソフトウェア開発サービスと組み合わせて提供しております。

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注力分野

当社グループは、マルチコアとストレージの高速化技術が活きる下記の4つの産業分野に注力して事業を推進しております。注力分野

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ソフトウェア・サービス事業

 

ソフトウェア・サービス事業においては、マルチコアが特に性能を発揮する、製造業向けの組込みシステムの分野及び金融業向けのリスク計量化等の分野を中心に、ソフトウェア開発を行っております。
マルチコア搭載ハードウェアのそれぞれの特性によって、最終的な製品及びサービスの質が左右されることが多いこと、またお客様のソフトウェアの元々のソースコードの特性によってマルチコア化のメリットが異なることから、利用目的にあったハードウェアの選定、マルチコア化による性能向上の見積もり、マルチコア化に対するボトルネックの特定等のコンサルティングサービスを提供しております。コンサルティングサービスを実施の結果として選定された適切なマルチコア搭載ハードウェア環境の下、ソフトウェア開発、ソフトウェアの移植及び最適化を行っております。お客様の最終的な製品への組み込み支援や運用のサポート等を通じて、お客様の製品性能やシステム性能の向上を実現し、お客様がマルチコアを利用するメリットを享受する、一貫したトータルソリューションサービスを提供しております。
更に、これまでのマルチコア向けのソフトウェア開発で培った技術及び知見を結集し、マルチコアをより利用しやすくするためのツールとして「M³(エム・キューブ)・ソリューション」を開発し、上記ソフトウェア開発サービスと組み合わせて提供しております。



ストレージ市場における主要なデバイスが、従来のハードディスクを使用したストレージからフラッシュメモリを使用したストレージへと変化をし、フラッシュメモリがビッグデータ時代の主要なデバイスになろうとする技術革新に着目し、平成25年3月からは、フラッシュメモリを制御するソフトウェア開発に注力しております。

 

ソフトウェア・サービス事業

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ハードウェア基盤事業

 

ハードウェア基盤事業は、お客様の製品及びビジネスに最適なマルチコアプロセッサや演算ボードを選定して提供しております。主な取り扱い商品には、(1)自社製品である画像処理プロセッサ搭載演算ボード「EigerEG-2S」及び周辺デバイス、(2)GPUやマルチコア搭載サーバー等の汎用機器、(3)次の戦略商品であるFPGA「Altera Stratix-V」ボードがあります。特に画像処理プロセッサ搭載の演算ボードが、お客様の量産品の組込み部品に搭載されて以来、売上を伸ばしております。
お客様にとっては、当社グループのソフトウェア開発能力に裏付けられたハードウェア製品サポートが期待でき、IT機器・デバイスメーカーにとっては、当社グループがお客様への導入サポートを提供することによって、最適なハードウェアの供給を行うことが可能となっております。